株式会社丸運

社長インタビュー

Q1

いよいよ第二次中期経営計画の最終年度ですね。

A1

はい。第二次中期経営3か年計画のホップ、ステップ、そして「ジャンプ」の年となります。「ホップ」「ステップ」は、慢性的なドライバー不足、相次ぐ自然災害の影響、進まぬ運賃改定交渉などに苦しみながらも、ほぼ目標どおりの成果を上げることができました。そして、この二年間で丸運グループ経営計画体系の共有と浸透に努め、全グループ従業員のベクトルあわせが実現できましたので、ゴールとなる今年に大願成就となる「大ジャンプ」を実現したいと考えております。同時に、第三次中期経営計画(2020年4月~2023年3月)の作り込みの年でもあります。混沌として先が読めない国際情勢、複雑な国内の社会環境の中で、3年先までの経営計画を練ることは、非常に困難なプランニングではありますが、チャレンジ精神、丸運スピリッツのもとで、積極果敢な経営プランを創造してまいります。

経営計画・経営戦略

Q2

「丸運イノベーション」の取り組みはいかがですか?

A2

「長期経営ビジョン(2017~2026年度)」の成長戦略実現に向けてのアプローチである「丸運イノベーション」の実践に力を注いでおります。私自身で抽出し、全経営幹部と共有している、ビジネス・イノベーション、マインド・イノベーション、コスト・イノベーション、システム・イノベーションの各分野における経営課題は、全部で約300項目にも及びますが、半期ごとの棚卸しでは、解決したテーマと新たに加わるテーマが均衡し、各セグメント部門とも常時数十項目の「丸運イノベーション」に取り組んでおります。
昨期における丸運イノベーションの四つの分野の代表的な取り組みを順にご紹介いたしますと、ビジネス・イノベーションでは「国内物流センター(拠点、営業所)の廃止(6か所)と新設(4か所)、静岡石油輸送の株式の過半を取得」、マインド・イノベーションでは「人材育成体系の整備と強化、カジュアルエブリデーの実施」、コスト・イノベーションでは「各種保険料等の大幅削減、本社一般管理費の削減」、システム・イノベーションでは「2020年度稼働の新システム(MLS)開発」などがありました。
海外でも、丸運上海が創業10周年を迎え、佛山、常州、閔行、蘇州、天津の各地区の倉庫をほぼ倍増まで新設・増床いたしました。国内では、旺盛なアルミの一貫輸送需要に応えるため栃木物流センター第三倉庫を着工し、川崎・東扇島地区にできる日本最大級の倉庫、ロジポート川崎ベイの新規賃借による老朽化した東扇島物流センターのスクラップ&ビルドも意思決定いたしました。

丸運国際貨運代理(上海)有限公司

Q3

「働き方改革」がいよいよスタートいたしますね。

A3

人手不足の問題はますます深刻になりそうです。物流会社にとってはドライバー不足の問題は経営を直撃する死活問題となりますが、実は日本中で人手不足の問題は発生しています。これを解決するには、単純・直線的な方法論では限界があり、複雑な多元連立方程式を解いていく必要があります。
その解となる未知数は「①少子化傾向の反転」「②生涯総労働時間の延長」「③外国人労働力の容認」「④IT労働革命」「⑤社会サービス・消費行動の原点回帰」などが考えられるのですが、それぞれに難しい問題点を抱えています。「①少子化傾向の反転」は仮に回復するとしても、労働力となるには今後20年から30年の時間を要すること、「②生涯総労働時間の延長」は健康寿命の確保が前提となり、労働力の個人差がより大きくなること、「③外国人労働力の容認」は、いずれ海外でも人手不足が出来するので、ある時期をもって一気に労働力が消えてしまうような事態になりかねず、過度な期待はできないこと、「④IT労働革命」は私の造語で「H to A」と言っているのですが、Human(人)から、Auto、AI、Atom(ロボット)への転換で、改良の余地はあるものの、これが一番確実に進むのではないでしょうか、「⑤社会サービス・消費行動の原点回帰」は過剰になってしまったサービスや消費行動(賞味期限なども含む)を抑えて、日本全体の仕事量を減らそうというもので、意識改革が必要となることなどが問題点として挙げられます。これらを国民全体の宿題として真剣に考える時期に来ているのではないでしょうか。
そのため、私は「丸運版働き方改革~10to8&8to10~」に取り組んでいこうと考えております。現在報道されている働き方改革の具体論は、一般論的で抽象的な印象を受けます。私はこれを「働き方“量的”改革」と「働き方“質的”改革」に分けて考えるべきだと思っています。
前者は、当業界においては〈ドライバー職に対する取り組み〉であり、「手待ち時間解消、荷役労働の分業といった物流システムの構造改革、役割分担の意識改革」「総労働時間短縮の解決にあたっての制度的対応、法的拘束力の設定」「実稼働労働力の物流業界への作業シフト、分業シフト、外国人シフト」「生涯総労働時間の延長」「モータースポーツ・漫画・文化の普及によるドライバー職の人気回復」「ITによる業務の軽減、業務量の削減」などが必要になり、「官>民>個」のパワー順で取り組むべきだと考えております。
後者は、〈スタッフ職に対する取り組み〉であり、先ほど述べました「H to A(Auto&AI&Atom)による仕事の質的変換」「システム投資による対応で作業部分を大きく軽減する仕事の実現」「働き方のマインド・イノベーション(量より質、効果&効率重視、質的評価に尺度変更)」「勤務態様の多様化(在宅勤務、テレワーク、休日確保)」等の取り組みで「個>民>官」のパワー順で取り組んでいく必要があります。
そこで、今年度から「丸運版働き方改革~10to8&8to10~」の活動を展開していくわけですが、これはまず「「10の仕事量を8にしようという10to8」と「8の仕事力を10まで上げようという8to10」の二部構成となっており、今後日常業務の「質的&量的」な改革を隅々にわたって展開していくことになります。
政府の主導する「働き方改革」を「丸運版働き方改革~10to8&8to10~」で実行していこうということです。

働き方改革と丸運イノベーション 1.BusinessInnovation 10年後につながる成長戦略ビジネスの展開 BtoB(Business) BtoC(Consumer&CSR) BtoO(Overseas&Outside) BtoM(Memorial&Monumental) BtoE(Efficiency) 2.MindInnovation 丸運スピリットのパラダイムシフト コーポレート・サポート&事業戦略立案機能の強化 人材の確保・育成・活用 CSRマインドの涵養と実行 DefensiveマインドからOffensiveマインドへのシフト 働き方の「量から質へ」の意識改革・転換 3.CostInnovation コスト削減は日常的かつ永遠の課題 コスト削減意識の徹底・実行 10to8&8to10 一般管理費の削減 中長期投資戦略の実行&平準化 4.SystemInnovation 丸運グループの全面的な業務改革を推進 基幹システムの全面的再構築(Maruwn Logistic System = MLS) 丸運版働き方改革「10to8」改革 システム投資の効果測定 新システムのフル活用
Q4

CSR推進経営を進めておられるようですが。

A4

昨年度は、以前から経営の根幹に据えている「CSR(企業の社会的責任)推進経営」が形になって見えてきた年でもありました。「6月の環境月間」「9月のコンプライアンス月間」「10月の安全月間」「11月の品質月間」「2月の社会貢献月間」と従業員には多少食傷気味であったかもしれませんが、多彩な行事を展開いたしました。丸運のCSR推進経営の特徴は、「全従業員参加型のCSR」です。スローガン募集、安全走行コンテスト、安全作業コンテスト、全国一斉清掃活動など大勢の参加を得ながら展開することができました。こうした個々人のCSRへの取り組みが自然体となって企業経営と一体化していくことを期待しています。
また、今年は、丸運が応援している「チーム風間」のライダーである風間晋之介選手が、テレビ朝日の開局60周年記念番組、倉本聡氏の脚本による「やすらぎの刻~道」のオーディションに5,000人の応募者から合格し、一年間本業である俳優業に専念することになりました。このため、2019年のダカール・ラリーに出場することができず、残念ながら休戦することになりました。ラリーとは異なりますが同じく長丁場の、4月から始まる一年間の帯ドラマ、いわゆる「昼帯」に是非ご期待ください。
一方で「身の丈に合った社会貢献」として、風間監督が村長となって取り組んでいる地球元気村の企業村民活動については、山梨県の「天空のはたけ」内に新たに「丸運ファーム」を開園し、子供たちと一緒に年間を通じて色々な作物を育てながら、自然との触れ合いを楽しみたいと考えております。私も昨年大根掘りに参加しましたが、畑からは、甲府盆地の先に富士山が雄大な姿を見せている絶景の眺望が楽しめます。大勢の子供たちと一緒に自然を満喫したいと考えております。

CSR

Q5

最後に、株主、投資家の皆さまに一言お願いします。

A5

丸運は、地味な会社であり、ニュースや報道の対象となったり、テレビコマーシャルで宣伝するようなことはありません。株価も値ごろ感があり、売買していただいている方も殆どが個人の皆さまです。こうした皆さまのご期待にお応えするためには、堅実な経営の下、安定した利益を確保し、安定した配当を続けていくことが一番大切ではないかと考えております。また、皆さまに事業内容をご理解いただく機会は、このホームページや株主通信でトピックスをお伝えするなど限られています。このホームページは、株主、投資家の皆さまに丸運の現在と将来の目指す姿について、よりご理解を頂くためのものでありますが、ご感想はいかがでしょうか。ご意見やご要望があれば是非お寄せください。

今後とも、丸運をよろしくお願いいたします。

2019年4月1日 荒木康次