株式会社 丸運

事業リスク

当社グループの経営成績、財政状態等に関して重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識し、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針です。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

1.マクロ経済環境の変化について

当社グループは、BtoB企業間物流を中心に事業を展開しています。国内外の経済動向、消費動向および各種業界の業況等の変動により影響を受ける可能性があります。 また、当社グループの中心は、日本における物流事業です。海外物流市場の成長を確保すべく海外市場にも積極的展開していますが、今後も国内物流事業の安定的収益基盤の確保に努めます。一方、少子高齢化などを背景として国内の物流需要の減少が見込まれているが、Eコマース市場の成長など物流市場の市場環境は大きく変容しています。
日本国内の物流市場の縮小化は、将来の当社グループの経営に大きく影響するリスク要因です。当社グループとしては、主力事業である国内物流事業の競争力の維持・向上を図るべく、引き続き事業運営の効率化を推進するとともに、変化する物流ニーズを取り込むべくソリューション型物流企業への変化に努めます。

2.物流企業間の競合について

日本国内の物流市場のダウンサイズ化の進展に伴い、物流企業間の競争は、今後、厳しいものとなることが見込まれます。当社グループの中心である貨物輸送および倉庫業は、顧客企業の事業活動の一部を担っている事業です。これらの業務においては、競合他社との競争環境にあることに加えて、顧客企業の業務効率化などの影響を受ける可能性があります。また、国内のエネルギー市場の長期的な石油需要の減少基調の影響を受ける可能性があります。成長している海外物流市場においても、国内外の物流企業との競争は、厳しさを増す可能性があります。
当社グループは、今後も事業遂行力の維持・向上に努めてまいりますが、国内外の競合環境が激化した場合、経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

3.顧客等の取引先との関係について

当社グループは、多様な企業との取引により事業リスクの分散を図り、特定の企業または業種の業況等による影響の低減に努めています。しかしながら、経済のグローバル化に伴う顧客企業の事業構造変化、物流ニーズの多様化などにより、従来の物流サービスは、大きく変化が求められています。また、顧客業界の再編や競争激化による淘汰による顧客基盤の喪失や取引先の経営破綻、事業拠点の閉鎖・縮小などのリスクもあります。
当社グループとしては、中期経営計画に掲げているアクションプランの着実な実行により競争力の維持・向上に努めてまいります。また、顧客業界の変化に注視、必要な与信管理や債権保全に努めるとともに、顧客との連携を深め、顧客ニーズの解決に取り組み物流価値の創造が出来る企業グループを目指しています。

4.自然災害および感染症等について

当社グループが事業を展開する主要な地域における大規模地震や台風等による自然災害の発生や、物流施設等における火災等の災害発生、または新型ウイルスなどの疾病の発生・流行が生じた場合、その被災状況や感染状況によっては事業活動の維持が困難となり、当社グループの事業運営、経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、事業継続計画(BCP)の整備などにより、影響を最小限に抑えるべく取り組んでいます。

5.法的規制等について

当社グループの事業運営等に際しては、多種多様な法的規制を受けております。当社グループは、コンプライアンスの遵守に努めております。しかしながら、法的規制により営業活動の一部が制限された場合または法的規制の見直しや新たな制定等により規制環境が変化した場合には、当社グループの経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

6.資金調達について

当社グループの主な資金需要は、運送費、燃料費、販売費および一般管理費等の営業費用、物流拠点の新設・整備等に係る投資であり、これらの事業資金を金融機関からの借入等により調達しております。
金利の変動リスクに晒されている借入金については、市場金利が上昇した場合、資金調達コストの増加等により、当社グループの経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

7.人材の育成および確保について

当社グループの事業運営は、労働集約型の事業が多く、人材の確保は事業継続にとって重要です。しかしながら、国内においては、構造的な労働市場の変化等に起因し、労働集約産業を中心に人手不足の状況が強まっています。そして、長期ビジョンに掲げている持続的成長の実現のためには、多様な人材を確保し、育成する必要があります。
当社グループとしては、優秀な人材の確保に向けて、多様な社員が活躍できるよう、労働環境の改善および整備などダイバーシティ経営環境の整備を図っています。
しかし、この対応に伴い、労働力の確保や労働環境の維持・向上のため人件費等の負担が増加する可能性があるほか、今後、必要な人材の確保・育成が出来なかった場合、当社グループの経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

8.事故および労働災害について

当社グループの事業は、トラック、タンクローリー、フォークリフトおよび大型重機の操作など、各種の危険を伴う作業が含まれています。当社グループは、丸運グループ経営理念に掲げる「安全運行、安定輸送、安心配送を最優先します」の下、安全管理の徹底を図り、事故の発生を防ぐことに取り組んでいます。
しかしながら、何らかの不測の事由から労働災害や事故等が発生する可能性があります。これらの事故等については、訴訟問題や事故等に起因した行政処分を受けた場合には、損害賠償請求が発生する可能性があるほか、当社グループの社会的な信用および顧客の信頼を失うリスクがあることから、当社グループの経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

9.海外への事業展開について

当社グループは、国内の事業展開に加えて、アジア地域に拠点を設け、海外事業展開をしている日系企業および現地企業を対象として物流事業を展開しています。事業展開に際しては、事前にリスク把握・評価して事業決定を行いますが、国際情勢の変化、現地の法律や規制の変化のほか不測の事態の発生等により、当初の計画通りに事業展開を進めることができず、当社グループの経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

10.M&Aおよび事業提携について

当社グループは、中長期的な企業価値の維持・向上を図るためには、グループ内の経営資源の最適化に加えて、事業領域の拡大や必要なコア・コンピタンスの取得・拡充に向けて、M&Aおよび事業提携等は、重要かつ有効と認識しています。M&Aや事業提携を行う場合は、対象企業の財務内容や契約内容等について詳細なデューデリジャンスを行い、リスクの把握に努めていますが、買収後の事業環境変化等により、当初想定した成果が得られない場合には、当社グループの経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

11.情報セキュリティについて

当社グループは、情報システム技術の発展により、情報システムの戦略的な活用や適切な取り扱いは、重要な経営課題と認識しています。当社グループでは、「情報セキュリティ基本規則」などの関連規程を整備して、情報管理体制の構築に努めています。また、eラーニング等を利用した従業員への教育や外部からの攻撃などを想定した定期的な訓練を行っています。
しかしながら、当社グループの想定を超えたレベルの情報システムに関する障害の発生やサイバー攻撃などによる当社グループの企業情報の破壊・窃盗などは、当社グループの事業運営に深刻な影響を引き起こすことから、当社グループの経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

12.顧客情報の管理について

当社グループは、顧客企業の経営上の秘密情報や個人情報等の重要情報を取り扱っています。当社グループは、「丸運グループコンプライアンス基本規則」および「個人情報保護規則」の制定・研修等により、顧客情報および個人情報の適正な管理に努めています。しかしながら、顧客情報等が流出することにより問題が発生した場合、当社グループの経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

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